高校生の時に参加したSPPの話.
分子間相互作用と分子識別-γ-シクロデキストリンを用いたフラーレン(C60の可溶化)-
炭素繊維ってご存知ですか?今回は,その仲間である「フラーレン」についての科学.
脳の栄養といったらコレ,ブドウ糖です.ご飯をかみ続けると甘く感じるのはデンプンがコレに変化するからです.こんな形の分子構造をしています.
シクロ=わっか,デキストリン=オリゴ糖(=ブドウ糖がつながったもの)です.というわけで,シクロデキストリンはブドウ糖が環のようにつながったもの,という意味です.
コレが「フラーレン」,C60のほうです(別のフラーレンもあります).炭素原子が60個つながっています.油が水に溶けないように,フラーレンも水に溶けません.
こちらはお仲間のC70.炭素が10個増量.上下に少しつぶしたような形になります.今回は使いません.
シクロデキストリンとフラーレンを混ぜるとどうなるのでしょうか.上写真はイメージです.シクロデキストリンがフラーレンを取り込んでいます.こうなると水に溶けるようになります.
白い粉末はシクロデキストリン.メノウの乳鉢なので分かりにくいのですが,黒いフラーレンもあります.
ひたすら混ぜ続けます.その時間およそ20分.固相反応です.
その後いろいろと操作をしますとこうなりまして,上澄みのオレンジ色の部分にはフラーレンが溶けています.水に溶けないものを溶かすお話.